街中のいたるところで目にするコインパーキング。今や「社会インフラ」と言ってもいい存在です。コインパーキングの普及の裏には、常に関連法規の存在がありました。道路に関する法律が生まれたころ、日本では車文化が大きく発展。それに伴い駐車場の需要が高まったのです。ここでは、道路交通法など関連法規について整理してみましょう。

1947年　道路交通取締法の制定

停車又は駐車を禁止する場所その他停車又は駐車の方法について必要な事項は、命令で定めるとする道路交通取締法。公安委員会は、駐車の時間又は場所について必要な制限を定めることができるとされていました。

1957年5月1日　道路交通取締法の改正 路上駐車場の設置と駐車の制限との調整

駐車場法の制定に伴い、路上駐車場の設置と駐車の制限との調整を図るため、路上駐車場の設置されている場所について駐車の制限を行う必要があるときは、緊急を要する場合のほか、あらかじめ、当該路上駐車場を設置した道路管理者である地方公共団体の意見をきかなければならないこととする旨が定められました。

1960年6月1日　道路交通法の制定 交通の危険、妨害の防止のため車両の移動措置を導入

道路交通取締法施行令において規定されていた車両の停車又は駐車を禁止する場所、駐車の方法、駐車時間の制限等について、法律で規定されました。また、車両が違法に駐車していると認められる場合で、かつ、その車両が道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがある場合の車両の移動保管措置が新設されました。

1962年6月1日　自動車の保管場所の確保等に関する法律（保管場所法）の制定

車庫等の保管場所を有しない自動車の増加に伴い、道路使用の適正化及び道路交通の円滑化を図るため、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を保管場所として使用しないよう義務付けられました。

1963年4月1日　道路交通法の改正 高速自動車国道における駐停車の禁止

高速自動車国道の供用開始に伴い、高速自動車国道等においては原則として自動車の停車及び駐車が禁止されました。

1970年5月1日　道路交通法の改正 交通巡視員制度の導入

多発する交通事故、交通渋滞の激化等の厳しい交通情勢の下で、歩行者の安全の確保、駐停車の規制の励行及びその他の交通指導を行わせるため、交通巡視員を置くこととしました。

1971年6月1日　道路交通法の改正 パーキング・メーターの設置

手前だけであった横断歩道付近の駐車禁止場所を、先方に拡大。それとともに、消火栓や指定消防水利の標識の設けられている場所付近等を駐車禁止場所にするなど、駐車及び停車の規定が整備されました。また、駐車時間の制限の実行の確保手段としてパーキング・メーターを用いることができることとするとともに、駐停車違反の罰則を強化する等の措置が講じられました。

1985年7月1日　道路交通法の改正 移動保管車両の都道府県への帰属、保管費用等の催促規定の整備

違法駐車車両を移動保管した場合において、所有者等の氏名及び住所が不明であるときは、公示後６カ月をもって、その所有権を都道府県に帰属させる等所要の措置を講ずることとしました。また、保管費用等の徴収手続についても督促規定が整備されました。

1985年　パーク24（現タイムズ）設立

このころ、駐車場管理（運営）会社が誕生したとされています。

1986年5月1日　道路交通法の改正 パーキング・チケットの設置、指定車両移動保管機関制度の導入、反則金の引上げ

都市部等における違法駐車問題に対処するため、新たに、パーキング・チケットに関する制度、違法駐車車両に対する標章の取付け措置及び指定車両移動保管機関制度が導入されました。また、道路使用適正化センターの指定に関する制度も新設されました。

1990年7月1日　道路交通法及び保管場所法の改正 放置行為に対する反則金の引上げ、使用者責任追及・使用制限規定の新設、保管場所法の改正

違法駐車の蔓延により、交通事故と交通渋滞が多発し、国民生活に多大な損失が生じていました。違法に駐車する行為のうち、特に悪質かつ迷惑性の高い放置行為を防止するため、放置行為に係る罰則及び反則金の限度額の引き上げ、放置車両の使用者に対する責任追及のための措置の新設及び民間ボランティアの制度化がなされました。

20年以上前に駐車場事業を始めたアークホールディングス

関連法規の変遷を見ると、車文化の浸透、駐車場ニーズの高まりがよく分かります。駐車場経営マガジンを運営するアークホールディングス株式会社のグループ会社・アイペック、1996年からコインパーキング事業をスタートしました。20年以上前から駐車場事業に取り組み、今では全国にコインパーキングを抱えるまでに成長しています。時代の流れを敏感に読み取り、いち早く社会的なニーズを察知。地域インフラとなるコインパーキングを手掛けてきたのです。