土地活用・駐車場経営の新たな一手、EV導入は是が非か?【2025年版】日本のEV普及データと2035年目標から見る「勝機」

土地活用・駐車場経営の新たな一手、EV導入は是が非か?【2025年版】日本のEV普及データと2035年目標から見る「勝機」

こんにちは!駐車場経営マガジンです!

土地や駐車場を所有されているオーナー様のなかで、「これからはEVの時代だ」というニュースを耳にするたび、気になっていることはありませんか? 「自分の駐車場にもEV充電器を置くべきだろうか?」「空いている土地をコインパーキングにする際、EV対応にするメリットはあるのか?」

街中を見渡せばまだガソリン車が主流であり、時期尚早ではないかと迷われているオーナー様も多いはずです。しかし、資産としての不動産価値を維持・向上させるためには、5年後、10年後を見据えた判断が不可欠です。

そこでこの記事では、駐車場経営におけるEV導入について、以下のポイントを分かりやすく解説します。

  • 政府が掲げる「2035年電動車100%」目標の真の意味
  • 直近の日本国内におけるEVHVPHEVの販売・保有台数の推移
  • 初期費用を大幅に抑えて、オーナー様の負担を減らす賢い経営手法
  • EV導入における都市部と地方での普及差

この記事を読めば、日本のEVシフトの現状がクリアになり、あなたの大切な土地・駐車場において「いつ、どのようにEV導入に踏み切るべきか」の最適な戦略を説明します

駐車場経営マガジン/月極駐車場・コインパーキング

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  1. 日本のEV化は本当に進む?2035年目標と現状のギャップ

駐車場や土地活用の投資判断をする上で、まず押さえておくべきなのが国の政策です。

政府が掲げる「2035年までに乗用車新車販売で電動車100%」の意味

経済産業省は「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略において、「2035年までに、乗用車新車販売で電動車100%を実現する」という目標を掲げています。

ここで注意が必要なのは、「電動車」の定義です。 これには、BEV(電気自動車)だけでなく、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池自動車)*も含まれます。

つまり、「2035年にすべての車が完全な電気自動車(BEV)になる」わけではありません。しかし、ガソリン車(内燃機関のみの車)の新車販売が事実上終了に向かうことは確定的です。これにより、今後10年かけて市場の車は確実に「充電を必要とする車(BEV/PHEV)」の割合が増加していくトレンドにあります。

世界と比較した日本の立ち位置と課題

欧州や中国が急速な電気自動車シフトを進める一方で、日本はHV(ハイブリッド)技術が成熟しているため、電気自動車の普及スピードは比較的緩やかです。 しかし、これは「普及しない」ことを意味しません。むしろ、インフラ整備が追いついていない現在こそ、充電設備を持つ駐車場の希少価値が高いとも言えます。政府も充電インフラの整備目標を「2030年までに30万口」へと倍増させる方針を打ち出しており、国策としてバックアップが進んでいる状況です。

 

  1. 【データで見る】日本国内のEV・HV・PHEV普及状況

では、足元の数字はどうなっているのでしょうか。データで日本国内の現状を把握しましょう。

直近の販売台数・保有台数の推移

一般社団法人日本自動車販売協会連合会等のデータを見ると、国内の乗用車販売に占めるBEV(電気自動車)のシェアは、2020年代に入り上昇傾向にありますが、まだ数%台(軽EV「サクラ」等のヒットを含めても)に留まっています。

一方で、PHEV(プラグインハイブリッド)とBEV(電気自動車)を合わせた「外部充電が可能な車両」の台数は着実に積み上がっています。特に注目すべきは、保有台数の絶対数が年々増加している点です。新車販売のシェアだけでなく、街を走るストック(保有台数)が増えれば増えるほど、当然ながら「充電場所」の需要は高まります。

EV・HV・PHEV・ガソリン車の構成比率

  • ガソリン車: 減少傾向にあるものの、保有ベースでは依然として多数派。
  • HV(ハイブリッド): 日本市場で圧倒的なシェア。充電不要のため、EV充電器の直接的なターゲットではありません。
  • BEV・PHEV(電気自動車・プラグインハイブリッド): 成長株。この層が、駐車場における「充電サービス」の直接的な顧客となります。

オーナー視点では、「BEV・PHEVの保有者が、どこで充電に困っているか」を考えることが重要です。自宅に充電器を設置できない層が増加している今、外での充電ニーズは数字以上に深刻化しています。

 

  1. 地域別に見るEV導入のリアル:都市部と地方の温度差

所有されている土地のエリアによって、EV導入の意義は異なります。都市部と地方のニーズの違いを見てみましょう。

マンションが多い都市部における「充電難民」問題

東京や大阪などの都市部では、集合住宅(マンション)の居住比率が高く、「EVを買いたいが、自宅マンションに充電設備がない(設置の合意形成が難しい)」という、いわゆる「充電難民」が多数存在します。

この層にとって、近隣の月極駐車場やコインパーキングにEV充電器があることは、単なる利便性ではなく「車を所有するための必須条件」になります。 都市部での土地活用において、EV充電器の設置は、近隣マンション居住者という優良な固定客(月極契約や夜間の長時間利用者)の囲い込みに直結します。

ガソリンスタンド減少が進む地方でのEVニーズ

一方、地方部では戸建て居住が多く「自宅充電(基礎充電)」が可能です。しかし、地方ではガソリンスタンド(SS)の廃業・減少が深刻な社会問題となっています(SS過疎地)。

給油のために何キロも移動しなければならない状況下で、自宅で充電できるEVや、出先(商業施設や駐車場)で継ぎ足し充電ができる環境は、生活インフラとして重要度を増しています。 地方のオーナー様にとっては、観光客向けの「目的地充電」に加え、地域住民のインフラとしての役割を担うことで、地域内での存在感を高め、長期的な集客安定化を図ることができます。

 

  1. 土地・駐車場オーナーが「EV充電」を導入するメリットと勝機

データと地域特性を踏まえた上で、資産を持つオーナー様にとっての具体的なメリットを整理します。

既存駐車場の「高収益化」と競合差別化

既にコインパーキングや月極駐車場を経営されている場合、近隣に競合ができれば価格競争に巻き込まれがちです。しかし、「EV充電可能」という付加価値をつけることで、価格以外の強みを持つことができます。

  • 検索での指名買い: アプリやマップで「充電器あり」で絞り込み検索されるため、立地条件に関わらず集客力が高まります。
  • 滞在単価のアップ: 充電中は車を動かせないため、駐車時間が長くなり、結果として客単価の向上が期待できます。

資産価値の向上と「選ばれる不動産」へ

これから土地活用を検討されている場合、あるいはアパート・マンション併設の駐車場の場合、EV充電設備は「物件の資産価値」を直接的に高めます。 前述の通り、EV・PHEVユーザーにとって充電環境は必須です。「充電設備がある」というだけで、テナント誘致や入居者募集において強力な武器となり、空室対策や賃料維持にも貢献します。将来的にEVが普及しきった際には、「充電器がない駐車場」は選ばれなくなるリスクすらあります。今のうちに対応することは、資産を守るための「先行投資」と言えるでしょう。

 

  1. 導入前に知っておくべき課題と解決策

メリットばかりではありません。プロとしてリスクと対策も提示します。

初期費用とランニングコストの現実

EV充電器の本体価格に加え、設置工事費(電源工事等)が必要です。急速充電器は数百万円規模になりますが、駐車場経営で主流となる普通充電器であれば、数十万円〜で導入可能です。 また、電気代や通信費、メンテナンス費などのランニングコストも発生します。

導入後のサポート体制と補助金の活用

このコスト課題を解決するのが「補助金」です。 国(経産省)や自治体(東京都など)は、充電インフラ導入に対して手厚い補助金制度(「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」など)を用意しています。これらを活用することで、初期費用の持ち出しを大幅に抑えることが可能です。

また、最近では「設置費用・運用費用ゼロ」で充電器を設置し、充電収益の一部をシェアするようなプランを提供する事業者も増えています。初期リスクを抑えたいオーナー様は、こうしたベンダー選定も視野に入れると良いでしょう。

 

  1. まとめ:データが示す「今やるべきこと」

本記事では、政府目標や市場データに基づき、土地・駐車場オーナー様におけるEV導入の可能性を解説しました。

  • 2035年電動化目標: 電動車へのシフトは国策であり、不可逆的なトレンド。
  • 現状: BEV普及はこれからだが、都市部の「充電難民」対策としてのニーズは既に高い。
  • 戦略: 既存資産の価値向上、競合との差別化として、「EV充電」は有効な手段。

かつてインターネット設備が「あると便利」から「あって当たり前」になったように、駐車場のEV充電設備もインフラ化していく未来は確実です。市場が完全に飽和する前の「今」こそ、先行者利益を得るチャンスと言えます。

しかし、実際に導入するとなると、「所有地に電源工事は可能か?」「どのメーカーの充電器が良いか?」「補助金はいくら出るのか?」など、専門的な判断が必要です。

あなたの大切な土地・資産を守り、育てるための「EV戦略」を検討する前に、まずは、所有されている土地や駐車場で具体的なシミュレーションが可能か、専門家に相談することから始めましょう。私たち駐車場経営マガジンは、駐車場経営者の皆様がこの新たなビジネスチャンスを最大限に活かせるよう、今後も最新の情報と実践的なノウハウを提供してまいります。電気自動車充電設備の導入にご興味をお持ちの方、ご不明な点がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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