
車室を1台減らすと収益が上がる? デッドスペース活用より先 やるべきレイアウト見直し
こんにちは!駐車場経営マガジンです!
「最近、うちのコインパーキングは稼働率が伸び悩んでいる」
そうお感じになったとき、多くのオーナー様が最初に思い浮かべるのは、自動販売機の導入やEV充電器の設置といった「新しい設備投資」によるデッドスペースの活用ではないでしょうか。
たしかにこれらは魅力的な選択肢です。しかし、新たな設備を導入する前に、今ある区画の「レイアウト見直し」を行うだけで、収益改善つながるケースが少なくありません。
今回は、大きな投資をかけずに取り組める施策として、「車室をあえて減らす・配置を変える」という逆説的なアプローチについて考えてみます。
目次
1. ご自身の駐車場の「稼働率」、正確に把握されていますか?
まずは、オーナー様ご自身の駐車場の現状を振り返ってみてください。
稼働率は立地によって大きく変動しますが、一般的には20%~30%程度が目安とされ、駅前や商業施設周辺などの好立地でも40%前後に落ち着く傾向があると言われています。つまり、多くの駐車場では、1日の半分以上の時間帯で車室が空いているのが実態です。

※上記はあくまで業界各社が公表している経験的な目安値であり、公的な統一統計ではありません。個別の立地条件によって大きく変動します。
ここで重要なのは、「稼働率が低い=立地が悪い」とすぐ諦めないことです。
同じ面積の土地でも、車室の配置や動線によって「停めやすさ」は劇的に変わります。ドライバーは無意識のうちに、出入りがしやすいストレスのない駐車場を選びます。コインパーキングの稼働率を上げるための第一歩は、立地以上この「停めやすさ」を疑ってみることにあるのかもしれません。
2. 「今のレイアウトが最適」という思い込みを疑う
「車室数を減らせば、当然その分だけ売上も減ってしまうのでは?」と疑問に思われるかもしれません。
しかし、無理に車室を詰め込んで「停めにくい駐車場」になってしまっている場合、あえて1台分減らし、ゆとりを持たせたレイアウト変更することで、リピート利用が増え、結果的収益が上がるケースがあります。
これは特別なことではなく、「今の区画割りが唯一の正解だ」という思い込みを一度手放してみる、という発想の延長線上にあります。
実際、区画数そのものを減らすのではなく、既存の車室の「使い方」を見直しただけで収益が大きく改善した事例も報告されています。他社の公開導入事例から、2つのケースをご紹介します。

これらはいずれも車室の総数を減らした例ではありません。しかし、「今の割り振り方が本当にベストか?」を一度疑い、需要に合わせて配置・用途を組み替えた点は、「車室を1台減らしてでも停めやすさを優先する」という発想と根っこは同じです。
台数を減らすことも、割り振りを変えることも、「今のレイアウトを当たり前だと思わない」という姿勢から生まれる改善策だと捉えていただくとよいでしょう。
3. レイアウト見直しの際に確認すべき3つのポイント
では、具体的にご自身の駐車場を見直す際、どのような点に注目すべきでしょうか。
重要なチェックポイントを3つご紹介します。
① 車室のサイズと配置
普通車向けの標準的な車室寸法は、幅2.4〜2.5m、奥行き5.0m前後が目安とされています。現状の区画がこれより狭い場合、ドアの開閉がしづらく、大型車や運転に不慣れなドライバーからは敬遠されがちです。無理な車室配置なっていないか、メジャーで一度測ってみることをおすすめします。
② 出入口・動線の幅
道路から敷地へ入る出入口の幅は、おおむね3.6m程度の確保が望ましいとされています。出入口が狭かったり、場内で何度も切り返しが必要な設計になっていたりすると、心理的な負担となりリピーターが定着しづらくなります。
③ ロック板の有無とロックレス化の検討
従来型のロック板(フラップ)式駐車場は、「バックで停める際に邪魔になる」「乗り上げて車を傷つけそう」といった心理的ハードルを感じる利用者も少なくありません。近年では、カメラやセンサーで車両を検知する「ロックレス化」が広がりつつあります。ただし、ロックレス化への移行にはカメラやセンサー機器などの導入費用が別途かかります。①②のような区画線の引き直し比べると投資規模が大きくなるため、「まず着手しやすい改善」とは切り分けて、別の投資判断として検討するのが実務的です。
以下の表で、3つのポイントを投資規模別に整理します。

まずは①②の「配置の見直し」から取り組み、③は投資対効果を見極めたうえで検討する、という順序が現実的です。
4. 追加投資の前に、まずは「小さな見直し」から
新しい設備を導入する場合、初期費用がかかり、その回収には相応の期間を要します。
対し て、①②のような既存の駐車場レイアウト見直しは、大掛かりな工事を伴わずライン引き直しなどの範囲で済むことが多く、比較的小さな投資で着手できるという特徴があります。

もちろん、個別の駐車場ごとに土地の形状や周辺の交通環境、あるいは既存契約の状況などはまったく異なります。そのため、「これをやれば必ず収益が改善する」という画一的な正解はありません。だからこそ、ご自身の駐車場のポテンシャルを最大限に引き出せているか、一度客観的に見直してみる価値があるのではないでしょうか。
5. おわりに
稼働率が落ちてきたと感じたとき、焦ってデッドスペースに新しい設備を置く前に、まずは「今の車室は本当に停めやすいか?」と疑ってみてください。
車室を1台減らす、あるいは使い方を変えてでも停めやすさを優先することが、結果的にコインパーキングの収益改善への近道になるかもしれません。
「うちの駐車場の場合、どのようにレイアウトを変えればいいのか分からない」
「現在の稼働状況が適正なのか知りたい」とお悩みの方は、
ぜひ一度、プロによる稼働状況の診断や相談サービスを活用してみてはいかがでしょうか。
現状を正確に把握することが、着実な収益改善への第一歩となります。
監修者情報

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